府中で香席 ◆ 四銘香でした

3月の府中フリー教室は「四銘香」でした。

“一木四銘”がテーマの組香で、出香二種なのですが、「木所は伽羅二種」と指定された、ひとくせもふたくせもある組香です…(表現がよくない!?)

一木四銘といえば、銘香「初音」「蘭(ふじばかま)」「柴船」「白菊」。

ただし、上記の銘香を鑑賞するための組香ではなく、一木四銘…元はいっしょの香木に、なにゆえ四つの銘が伝えられるようになったのか…にまつわる物語を、香りを通して味わう組香なのです。

だから、使用する香木は、「初音」「蘭(ふじばかま)」「柴船」「白菊」である必要はないのですね。

ただ、それらの銘香と同じ木所の、伽羅と指定されている、と。

(ええ~「四銘香」なのに、その銘香は使わないの~??)なーんて思われる方もいらっしゃるでしょうが(それは私です。笑)、銘香と言われるものでなくても、香木って、すごいものですよ…。

こんなに小さくこしらえた(割った)香木が、何十年、何百年という時をこえて、今こんなに香って語りかけてくれている…と、香席で何度感激したことでしょう。

肝心なのは、香組! ですよね。この組香をどんなイメージで楽しんでいただきたくて、そのためには、どんな香木を選んだらいいのか、という…。

で、この日香組を担当されたYさんは、なんと、“乃木大将”で、きました。

遠く見えて、実は近い、素晴らしい香組でした。

私は、仙台出身ということもあり、香木の末木(うらき)を買って帰った伊達藩の気持で過ごしていましたが、最後に香組の心持を聞いて、理屈を超えた人間の美しさ、みたいなものを感じ、心がスーッと澄んでいくような気持になりました。

そして、元木(もとき)も、末木も、元は同じ木から生まれた香木。どっちも、いい香りじゃないか…と、しみじみ思ったりして。

まぁ、言い換えれば、元木でも末木でもいいから、一度くらいは聞いてみたいなーと。(結局それかい! 笑)