初座継承チームの旅立ち

古心流で受け継がれている手前に「初座」があります。

 

初座とは、客や亭主の出香した香木を、

組香に使用できる大きさに拵える手前です。(続く「懐石」も初座に含まれます)

 

組香をするために香を拵える事は、必要不可欠な準備ですが、

「初座」は"手前"ですので、

受け継がれた様式に則って、お客様の前で行われます。

 

古心流には、この初座の手前を受け継ぐチームがあります。

 

そのチームによる初の「初座の講座」が先日行われました。

かくいう私もそのメンバーなのですが、

「自分が行う」ことと、「人様にお伝えする」ことの違いは大きなものです。

 

ひとつひとつの動きに、

そのコツが伝わるような表現を持っていなければ

充分な指導はできない、と、改めて思い知らされました。

 

そのためには、「どう伝えれば、この方はうまくできるのだろう」と、

瞬間的にでも、突き詰めて考える必要があります。

しかも、お一人お一人、身体付きも性格も違いますので、

そこも考えなければいけません。

 

今回講座に参加された皆様は、初座を学びたいという志の方々ですので、

長時間、明るく、真剣に取り組んでくださり、

「分かりやすくて、楽しく学べました」と笑顔でお帰りくださいました。

安堵して感謝しつつ、実態は"まだまだ"です。

 

講座後の反省会で、メンバーから誰ともなしに、

「これから定期的に集まって、初座をbrush upしていこう」という話になりました。

 

これまで身に付けた手前をキープしたいし、

良くなかった所を良くしたいし、ひとつひとつの動きを吟味したい…

そして、「これをどう表現すれば、人に伝わるのか」。

 

「初座研究会」の発足です。

 

初座を受け継ぐ仲間として、

この先を見つめる思いが共有できたことは大きな喜びでした。

 

関の香割道具