着物で香席 ✿ 葵香でした

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香りのゴールデンウィーク、後半戦は、葵香です。

盤物で、小さな牛車が2つ登場します。

中に乗っているのは、かたや六条御息所、かたや葵の上…

そう、この組香は、源氏物語の車争いの場面を表現したものなのです。

祭そのものがテーマではないところが、競馬香とはスタンスの違うところですね。

組香のしくみも違います。

葵香は、どちらかの牛車が中央の榊に至れば勝となり、終わり。または、どちらかが盤から降ろされれば、その時点で終わりとなり、本香が残っていても、もう、たきません。

計算すると、最短では本香2炉で勝負がついてしまいます。

それはちょっと物足りないな…ということで、皆様若干スリリングな思いで本香に臨まれたのではないでしょうか。

はじまってみたら、なかなかよい勝負で、本香五炉で、それもちょうどウの香りが出たところで、勝負がつきました。

結果は、六条方の牛車が盤から降ろされることに…

そのお役目をされたのが、当の六条方の盤者で、「降ろしたくない…」と、しばらく躊躇なさっていたご様子が、なんだか盤上のお話ではなくて、本当に源氏物語の中に入っておられるようで、とても胸に残りました。

それから、毎回、緊張の面持ちで参加されるお客様が、今回、とても打ち解けてくださったご様子で、(ああ、心から楽しんでいただけたのかな…)と、ちょっと涙がでるほどうれしかったです。

それぞれのお客様のお話、表情…ひとつひとつがキラキラと胸に残り、なかなか書ききれるものではありません。
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今回のお菓子…牛車の車をモチーフにされたのですね。 美味しかったです!