賢治命日に落語付き香席を行いました

9月21日に青山えり華さんで、宮澤賢治セロ弾きのゴーシュ」にちなんだ落語とお香の会をさせて頂きました。

当日は賢治さんの祥月命日で、岩手の花巻にある記念館では同時刻に「セロ弾きのゴーシュ」の朗読が行われていました。

あちらは朗読、こちらは落語…
そして、あちらは原作に忠実、こちらは大分アレンジしちゃってるぞー…という感じですので、バチが当たらないかしら…と、後でお客様にお話ししたら、「そんなことありません。いい供養になったのではありませんか」と言ってくださり、「供養になった」というお言葉にはっとして、とても嬉しかったのです。

生前は作品発表の機会すら少なかった賢治さん。でも宝石のような作品を沢山残して、今日では多くの人々に愛されている賢治さん。…そんなお話をしたら、お客様が「天国で賢治さんが『俺、いま、こんなに売れてる』って驚いているかも(笑)」とおっしゃり…。面白いお言葉なのに、いま思い出すと、なぜかグッと泣けてきます(笑)。

いつもは土日祝に行うお香の会ですが、今回は命日にこだわって、金曜という平日に開催したため「興味があるけど、行かれない」という方が大勢おられ…申し訳ない気持ちでしたが、やはり、当日に行ったことで、一体感が強く持て、特別な一日が過ごせたように思いました。

雨にも負けず、風にも負けず、お着物で集ってくださったお客様。そして、こういう場を与えてくださり、香席のために「賢治っぽい」生菓子を菊屋さんで見つけてきてくださり、落語を全員で聞いてくださった青山えり華のみな様。
そしてもちろん、天国の賢治さん。感謝しております。
ありがとうございました。

(帰宅してから、お客様が教えてくださった賢治作品「虔十公園林」を読みました。
ありがとうございます。そうそう、書き忘れていましたが、香席は小鳥香でした。試香のない組香なのですが、虔十公園林を教えてくださったお客様は「落語が試香」と捉えたとアンケートに書いてくださり、その感じ方にも はっとさせられ感激いたしました。)

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セロを弾いている所作です。これはトロイメライを弾いているところでしょうか。

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賢治作品の口演ですから、手拭はこちらを選び、高座に臨みました。たしか、大昔に花巻の宮沢賢治記念館で入手したと思います。記憶が不確かですが…

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えり華さんが、菊屋さんと相談して見立ててくださった「賢治っぽい」生菓子。
拝見するなり感激! 注文により誂えたお菓子ではないのに、これほど賢治の世界を表現しているお菓子があるでしょうか。…と、思えたのです。