府中で香席 ◆ 略・十種香でした

連休初日の土曜日は、府中フリー教室でした。

この日の香組担当は、順番で私。

二十四節気を柱に秋を味わっていただこうと、香りを組んでみました。

この日お香初体験のUさんと待ち合わせして、お家元宅へ伺うと、

取材の方が見えているとのことで、いつもとはひと味ちがう緊張感で香席が始まりましたが、

正客に入ったK師範の存在が心強く、いつもと同じ心持で香元を務めることができました。

初参加のUさんは要所要所で師範にサポートされながらお席を過ごし、いろいろと質問なさるご様子が、

なんとも生気にあふれていて、その内容も聞いていて勉強になることしきりでした。

私がハッとさせられたのは、銀葉の上に香木が2片のっているのを、違う香木がたき合わされていると思われ、何と何をブレンドしているのかを答えるのだと思われたことです。

これは、香道の日常に染まっている者にはない発想です。新鮮です。

と、同時に、招く側にとっては、運命の分かれ目ともいえる重要なポイントです。

「お答えの書き方が違います」と言うだけなら誰でもできると思いますが、

なぜお客様がそう思われたのかを理解して説明してさしあげないと、

最悪、勘違いさせたままお帰しすることになるからです。

ブレンド」と聞いて、すぐ察して差し上げられた師範はさすがだなぁと思いました。

後日、Uさんから、次回の府中はいつですか、と訊ねていただけたのが、

心にしみるほど、うれしかったです。


追記: めったに行われませんが、ひとつの香炉で、ふたつの香木をたき合わせて聞く組香もあります。
私もまだ一度しか体験しておりませんが…