着物で香席 ✿ 競馬香でした
青山ゑり華の香席も、3年目に突入です!
記念すべき第25回お香の会は「競馬香」でした。
お天気にも恵まれ、たくさんのお客様が集ってくださいました。
競馬香といえば、代表的な盤物。
赤方と黒方に分かれて戦うのですが、実は、古心流の盤には「赤方が勝てない」というジンクスがあるのです……。
去年のお香の会でも、そうでしたし、今回も黒方の勝利となりました。
この盤は、もちろん他の教室やイベントでも使用されていますが、K師範も「赤方が勝った記憶がない」とおっしゃるほどの強力なジンクスです…いや、もはや、伝説!?
赤方の馬がうなだれて見えるせいだとか、いろいろ言われておりますが(笑)、こうなってくると、この伝説が破れるまで、毎年欠かさず競馬香をしたくなります。
神がかり的なことは、今回のお席で、ほかにも起こりました。
まず、お席入りが遅れて試香ができなかったお客様がいらしたのですが、「せめて香名をご参考にお答えください…」と申し上げたところ、なんと、そのお客様、直後の本香を聞き当ててしまいました。
それも、まぐれじゃないんですよ。「香名から察して、これではないかと思いました」とのことで、まあ驚きました。香組した立場としては、嬉しい驚きでした。
競馬香も後半にさしかかったあたりで、驚きの事実が明るみに…
もう、鳥肌を通り越して、(やっぱりなぁ…)という訳のわからない感慨にふけってしまいました。
つまり、神事がテーマの組香だから、神がかりも当然だよなぁ、という意味ですが、なんとも素敵なご縁です。
話をもどしますが、そのテレビドキュメントを見て、一番心が動かされたのが、若者を指導する立場の男性が、「僕たちの仕事というのは、(両手を結んで器をつくり)師匠から注いでもらった水を、この手に受けて、一滴ももらさぬようにして、次の世代へ注いでいくようなものなのです」と語っておられたことでした。
香道と共通の魂を感じましたし、これは競馬などの神事の継承や、さらには「命」を繋いでいくことにも共通する、美しい姿勢なのでは…と思いました。
そのことから、四の香名を「結ぶ手」としたのですが、
うれしかったのは、ゑり華さんのニューフェイスで初めて香席に参加されたOさんがアンケートに書いてくださった言葉。
「…『結ぶ手』を重い香りに感じたのは、自分の事なのかもしれないと思ったからかもしれません…」
彼は、大きな機屋さんの跡継ぎらしいです。
着物の文化を継承していく気持に重ねて味わっていただけたのかしら…と胸にしみました。
今回のお菓子。賀茂の競馬モチーフの扇に、青楓。すがすがしいですね。