新連載スタート ! “BAN-Colle” 盤物コレクション

いよいよ始まりました。盤物コレクション、略して“盤コレ” !

このコーナーでは、古心流が誇る香道具作りの達人「Yさん」制作の盤を月いちでご紹介いたします。

第一回目は「鵜船香」。鵜飼シーズンたけなわですね~。

鵜飼がテーマの組香は他にもありますが、今回のはもちろん、盤物。

ハイでました! 船に乗った鵜匠のお人形。篝火をかかげていますね。縄の先には鵜が…! ちっちゃい !
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撮影のために、お人形を適当にセッティングしましたが、

実際の組香では、鵜を船から降ろすタイミングなど全てが決まっています。

(鵜を2羽降ろすためには、実際は船を6間進めなければいけません=その分聞き当てなくてはいけません…ショェ~)

鵜匠のお人形は全部で10体。10名のお客様がご自分の船を、聞きによって進めて遊びます。

お人形の顔が全部違うのも楽しいですね。

ちなみに私のお気に入りは、このお人形。下がり眉で、気が弱そ~…なところがいい感じ(笑)。
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作者Yさんのプチ・インタビューもいってみましょう。

伽羅メル(以下Kメル) 「このお人形たちの顔…ひょっとして古心流の門人をモデルにしてませんか?」

Yさん 「いや、それはないです(笑)。電車の中などで人間ウォッチングしてます。この人が漁師になったら…なんて想像しながら」

Kメル 「数々のめずらしい盤物を復元されたYさんですが、古文書を調べて盤を制作なさるとか?」

Yさん 「ハイそうです。国会図書館に何冊か盤物が載っている江戸時代の本があるので、それを忠実に復元しています」

Kメル 「細かくて大変な作業だと思いますが、やりがいというか、喜びを感じる時は?」

Yさん 「完成した盤を見た時の、みなさんの『キャーキャー』という感嘆の声を聞いた時。やみつきになります(笑)。その一瞬のために作っているようなものです」

Kメル 「なるほど…実感がこもってますね(笑)。…この鵜船香の盤作りで、とくに苦労されたところは?」

Yさん 「うーん…。船の舳先から胴にかけての曲線を作りだすのが大変でしたね。薄いヒノキをお湯につけて柔らかくして…というのを何度も繰り返して、あの形にしていきました」

Kメル 「何年か前の古心流ツアーで、実際に長良川の鵜飼に行きましたよね。いかが思われましたか?」

Yさん 「そうそう…。あの時、観光案内所のような所に鵜飼のミニチュアが展示してあったんです。そうしたら、そこの人形を見て、古心流のみなさんが、『Yさんのほうがうまい』って…(笑)。うれしかったですね」。

…と、Yさん、照れながらも、瞳キラキラ…。

当然といえば当然ですが、やはり、作者にとって一番うれしいのは、“反応”なんですね。

古心流の香席で、いろいろな楽しい盤物ができるのも、Yさんの頑張りのおかげです。

Yさんのモチベーションをさらに上げるためにも、みなさん、より一層キャーキャー言おうではありませんか !

Yさんへの励ましのコメント&ファンレターもぜひお願いします ! 伽羅メルが責任を持って、ご本人にお渡しいたしますので !
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