味わい深い「曲水香」の盤

「曲水の宴」をご存じですか。

中国発祥で、日本でも奈良時代以前から宮中で行われていた歴史ある行事です。

現代でも、京都、大宰府、平泉の毛越寺などで春に行われているので、その様子をテレビや写真でご覧になった方もいらっしゃると思います。

水の流れのふちに、平安時代の装束で座り、詩歌を作るという風雅な宴です。

流れには酒盃が浮かび、自分の前に流れくるまでに詩歌を作れたら、酒盃を頂けます。

(作れなければ、罰盃として頂く、というやり方も多くあるようですね。
出席するメンバーに合わせて、どちらにするか決めていたら面白いですね。
酒豪が多い時は、当然、前者のほうが盛り上がりそうですが…。笑)

この、曲水の宴の世界を組香にしたのが盤物の曲水香です。
イメージ 1

こちらの盤の作者はもちろん、古心流の職人Yさんです。

曲水の流れをあらわす、布の意匠が素敵ですね。

桃の木を目指して、各自の盃を進めていきます。

シンプルにして、眺めていると想像の翼が広がる盤です。

イメージ 2

曲水の宴を実際に体験することは中々ないと思いますが、

組香なら、香りと盤を通して、歴史あるこの行事を体験できるわけです。

現代に生きながら、古の人々の生活や気持に触れることができる、

お香って、まるでタイムマシーンのようでもあるなぁと時々思います。